乳白色の絵肌で知られる画家・レオナール・フジタ(藤田嗣治(1886~1968))は、第一線のちょっと後ろにいました。でも、色は独特でした。そんなに面白い作品ではないけれども、確かに色は特徴がありました
。
戦時中の作品で日本製のベビーパウダー「シッカロール」を画材に用いていたことが分かったそうですよ。2011年3月から藤田の企画展を行うポーラ美術館が12日、明らかにしました。
1942年頃、土門拳が制作中のフジタを撮影した一連の写真を、ポーラ美術館の学芸員が調査したところ、キャンバスの脇にシッカロールの缶が写り込んでいたことを見つけたそうです。生乾きの画面にかけてすり込むか、油絵の具に混ぜるかしたと推測されるということ。
フジタは生前、技法をほとんど語らず、独特な乳白色の発色については、謎に包まれていました。近年の修復調査で、20年代の作品の表面からシッカロールの主成分でもある「タルク(滑石)」が検出されていたが、具体的に何をどう用いたかはよく分かっていませんでした。今回、わかったということです。
フジタは色が命でしたし、何とかフランスでがんばるには、色をヒミツにする必要があったことはわかります。一流半ではありましたが、がんばったんですよ。
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