網野智世子さんの中国語入門
中国語と時間の流れ【網野式中国語入門】
こんにちは。網野智世子です。
中国語を学習したいという動機はさまざま あるかと思います。
「これからは中国・アジアの時代。
中国語を身につければ、
チャンスを得られる可能性が高まりそう」
というような社会の雰囲気は、 日々いろいろな情報に接する中で あなたも感じているのではないでしょうか。
ただ、「中国語を身につける」と一言で 言っても、数日間で簡単にできるものでも ありません。
学習方法や意欲にもよりますが、基礎だけでも 1ヶ月〜数ヶ月、実用的に人と交流できるレベル までには少なくとも半年から1年以上の年月を 要するケースが多いと感じています。
ではそんな「時間のかかる」中国語学習を 少しでも効率的にする方法は無いのでしょうか?
絶対これだ、という方法は残念ながらありません。
私も多くの方に中国語指導をさせていただいたことが ありますが、数日や1週間程度で「はい完璧です」という ようなことはあり得ません。
これははっきりとお伝えしなければなりませんが、 そこまでの願望はあきらめてください。
「楽して寝ながら中国語を身につける、 という魔法の方法はありません。」
「たった1週間で、という方法もありません。」
そのような内容をご期待されているとのことでしたら、 残念ながらご期待に添えません。
語学学習はどの言語もそうですが、 ある程度の根気、反復継続、そして何よりも 話せるようになりたい、という気力が必要に なります。
ただ、ある程度中国語学習を効率化する 方法はあります。
「 動詞 を軸にすると、
中国語の構造を理解するスピードが速くなる」
ということです。
さらに、この方法は中国語のみならず、 英語やフランス語などの他言語にも応用できます。
逆に言いますと、
「動詞」にフォーカスしなければ
効率よく外国語を習得することは難しいのではないか、
と私自身の実感としては考えています。
それをさらに発展させますと、
「言語によるコミュニケーションの単位は
センテンス(文章)である。
そのセンテンスの軸になるのが動詞である」
ということが言えます。
あなた:「動詞動詞って、網野さんはなぜそんなに 動詞ばかり強調するのですか?」
網野:「はい。それについては、私自身は 次のように考えています」
・・・
「人間はすべて、時間の流れの中で言葉を持って生きています。
その「時間」の概念を内包するのが動詞だから」
つまり、「動詞」は「時間」を表しているのです。
例を挙げてみます。
中国語には
「去」(チー:行く)
あるいは
「来」(ライ:来る)
といった基本的な動詞があります。
この動詞の意味を少し考えてみてください。
これらが表す動作や行為には、 長短の程度はあっても必ず
「時間の流れ」
~~~~~~~~~~~~ が入っていますよね。
ただ単に「去(チー:行く)」と言っても、 それはその瞬間を表しているのではなく、 車で行ったり歩いて行ったり、 時間を経て動作が行われています。
逆に言いますと、「去(チー:行く)」 という動詞を、時間抜きにしたある瞬間の 点として意識する、というほうが難しく ないでしょうか?
そう考えると、
「動詞」の中に「時間が含まれている」
ということの意味を実感していただけるかと思います。
さらに動詞について付け加えさせていただきますと、
「中国語は、
これらの「動詞」の地位がとても高い言語です。」
そうです、中国語は動詞の地位がとても高いのです。
それに比べると、日本語の「動詞」の地位は、 世界の言語の中でもトップクラスに低いといえます。
(私見では、話者100万人以上の主要言語の中では 日本語の動詞の地位の低さは世界一だと考えています)
そのため、「動詞」の扱いに慣れていない私たち 日本語ネイティブにとっては、 動詞の地位が高い中国語(や英語)を使いこなすのが 難しい、という現象が起こるのです。
その点を意識しないうちに、 単語の詰め込みや例文の丸暗記を行っても、 どうしても本質理解の部分がおろそかになって しまう傾向がみられます。
例えばあなたが英語の学習をしていて、 単語や例文暗記はバッチリ。
でも旅行などで突然外国人と話す機会に、
いざ何か伝えようとしても言葉が出ない!
単語は思いついても文章にできない!
と焦った経験、ないでしょうか?
あなたや私も含めて、 かなり多くの日本人が似たような経験を持っている でしょう。
もちろん丸暗記も効果があるのですが、 それに本質部分の理解(動詞と他語句の力関係) を加えることにより、より効率的で無駄のない 語学力向上が望めるのです。
端的に行ってしまえば、単語だけではない 「文章力」が身につくのです。
と・・・、
専門的なことはひとまず置いておきまして、 少しイメージしてみてください。
中国語や英語などの「動詞」の地位が高い言語は、 動きが激しく、ダイナミックな「動的」なイメージ。
日本語のような「動詞」の地位が低い言語は、 動きが少なく、雰囲気や奥行きを醸しだす「静的」なイメージ。
なんとなくイメージが湧いてきませんか?
そのようなイメージで中国語と日本語を意識して みてください。
これから学習する言語を、イメージで体に 染み込ませることも、時として有効な 訓練になるんですね。
またメールしますね。
網野智世子
網野先生からのメール
1.中国語と動詞
2.中国語と時間の流れ
3.中国語と漢字
4.中国語の落とし穴
5.中国語の落とし穴(2)
6.中国語の習得しやすい点とは?
7.中国語の文型?
8.中国語を習得した方法?
9.ご質問をいただきました
10.内容について
11.中国語の辞書はどうやって選ぶ?
12.英語にも・・・
【網野式】動詞フォーカス中国語入門 ◆約6時間のネイティブ音声付き ◆メールサポート付き 〜初心者から本気で本物の中国語を身につけたい方へ〜
トップページ