網野智世子さんの中国語入門
中国語の落とし穴(2)【網野式中国語入門】
こんにちは。網野智世子です。
前回のメールでは、
「中国語は日本語と似た漢字を使用していて、 しかも動詞などの変化がないのに、 どうして挫折してしまう人が多いのですか?」
というご質問に対して、
漢字の知識は、諸刃の剣である
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ということをお話しました。
もしあなたが前回のメールを受信していたら、 再度ご覧になってみてくださいね。
そして今回はもう一つ、日本人が中国語学習で つまづいてしまう点を挙げます。
それは、
中国語が「声調言語」である
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という点です。
これは日本語には無い特徴です。
「声調(せいちょう)」とは文字通り声のトーンのことですが、 日本語は高低のアクセントはあるものの、 概して平板です。
子供の遊びで、声の音程を一切変えずに 「ワレワレワ、ウチュウジンダ」 というのがありますが、極端に言ってしまえば 中国語から見れば日本語はこの「ウチュウジンの発音」 に近いのです。
しかも、考えてみてください。
仮に上記の「ウチュウジン」が実在したとして、 常に前述のようなの発音をしていたらどうでしょうか。
きっと、日本語の場合にはそのような発音でも 意思の疎通自体は問題なくできるでしょう。
でも同じことを中国語でやろうとしたら どうでしょうか?
この「ウチュウジン」は中国語社会でしっかりと 意思疎通を図って生きていけるでしょうか?
この場合、残念ながら意思の疎通はかなり困難になります。
これは、中国語が大きく音程の上下を伴う 「声調言語」であるからです。
中国語では「四声(しせい)」と呼ばれる4つの声調が あります。
この四声によって、 中国語の音声が豊かなメロディーを持つことになります。
中国語は歌のようなメロディーを持つ、 と言われることがありますが、まさにそのとおりだと 思います。
私も、中国語ネイティブの流れるような発音を聞いていると、 思わずウットリと聴き入ってしまうことがあります。
そのくらい、情緒豊かな感情味溢れる言語だと思います。
とてもウチュウジンではマネできませんね。
この声調のため、 例えば子音と母音の組み合わせが同じでも、 声調が異なると全く違う意味の言葉になってしまう、 ということが起こってしまうのです。
日本語に戻りますと、前述のとおり日本語は アクセントが平板な上に、あまり口を動かさなくても 発音できる言語です。
また母音と子音を合わせても、音の種類自体が 少ない言語でもあります。
さらに多言語と比較をしてみますと、 中国語や英語、さらにフランス語などは
・はっきり口をあけて
・お腹から声を出して発音
しないとうまく発音できない場合が多いのです。
(特にフランス語は口の筋肉をしっかりと使わないと うまく発音できません)
日本語は音声の種類自体が少ないという点に関しては、 英語はご存じのとおり日本語には無い音が多くありますし(代表的 なのはLとRの違いですね)、
中国語にももちろん日本語には無い音が数多くあります。
日本語とかなり類似点の多い韓国語であっても、 優れた文字システムであるハングルが表すことができる 音の種類は日本語よりずっと多いのです。
以上、見てきてきましたとおり、
「声調」の問題、
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そして「発音の種類自体の多さ」が、
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中国語を学習する方の大きな壁として 立ちはだかっているわけです。
発音に関しては、これをすれば完全、 というインスタントな方法は残念ながら ありません。
もちろん発音の規則や細かなコツのような ものはありますが、究極的には
模範的なネイティブ(音声教材も含めて)のマネをすること、
これに尽きると思います。
中国語に限らず、どの言語もネイティブ音声を 繰り返し聴いて、あなた自身も合わせて発音して、 というプロセスは必須です。
基本的な規則を頭に入れた上で、音声教材の音声を 繰り返しマネして発音することで、 充分に実用的レベルまでには到達します。
さて。
あなたはここまでの話を聞いて、 声調や発音の問題など、
「やっぱり中国語は難しそうだなぁ」
と思われたかもしれませんね。
しかしそんな中、救いとなる点があるのです。
次回はそんなお話もできればと思いますので、 楽しみにしていてくださいね。
またメールいたしますね。
網野智世子
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